ローラーで塗る漆喰、アレスシックイでDIY

ローラーで塗る漆喰、アレスシックイでDIY, 大工さんの作業が終わって、いよいよ内装DIYの出番です。

DIYリノベーションの内装で一番悩むのは、「新しくした部分」と「古い部分」の差が出ないようにすることです。「ここから新しくした部分ね」と丸わかりなのは、ちょっとアレですからね。ですから、内装では、「新しい壁」を塗装しつつ、「古い壁」もキレイに補修&塗装します。(この、古い壁の作業が、補修やらアク止めやらで結構面倒です。)

アレスシックイを選んだ理由

古民家の我が家は、多くが土壁。土壁は呼吸する壁と言われていて、注目のエコ&健康な壁です。さらに、土壁は施工に時間がかかるので、今はあまり作られません。希少なんです(たぶん)。その土壁に石膏ボードやベニヤ板で蓋をするなど、愚の骨頂!ということで、土壁を活かしつつ、おしゃれな「漆喰」仕上げにすることに。

土壁に漆喰を塗るのは、難しくはありません。問題は、新設のベニヤ板壁と石膏ボードの天井。

ベニヤ板の部分は漆喰にできないし、天井に漆喰を塗るのも大変そうだから避けたい。

そんな感じで、

  • 漆喰壁との色や質の差があまり出ない塗料
  • ローラーやハケで塗ることができて施工が楽な塗料
  • ホルムアルデヒドなどの健康阻害物質が限りなく低い塗料

を探し、検討した結果、漆喰風塗料「アレスシックイ(関西ペイント)」にたどりついたのです。

ローラーで塗る漆喰、アレスシックイとは?

漆喰風塗料は色々ありますが、このアレス漆喰は、90%以上が漆喰成分でほぼ漆喰。もちろん、ローラーで塗る漆喰は、塗り壁のような厚みがないため、調湿機能に期待はできませんが、強アルカリなので、除菌機能と静電気が起きにくいため、ホコリがつきにくいメリットは保持されます。一番のメリットは、漆喰の上に塗れること。これは素晴らしい!

通常、既存の漆喰壁を塗り直す場合は、一度、漆喰を剥がして、新たに塗り直します。でもこの、アレスシックイを使えば、面倒な作業は一切なし!簡単にきれいに塗り直せちゃいます。壁紙や石膏ボードの上から塗ることができ、汎用性が高いので、古民家のリフォーム&リノベーションの強い味方です。

一応、メインの部屋を塗る前に、自宅のトイレ(壁紙の上から塗る)やキッチンスペースに塗装して、質感を確認しました。柔らかめの白で、漆喰壁面との相性もばっちりでした。ただ、下地のアクを吸いやすいので、注意が必要です。新設の壁なら気をつかう必要はありませんが、古い壁はしっかりと汚れを落としてから使用します。

アレスシックイのDIY施工方法

1、マスキングをする

マスカとマスキングテープ、養生テープ

まず、柱や床面はしっかりとマスキングを施します。これが結構面倒で時間がかかりますが、この後の作業を気兼ねなく行うために大事です。

そして、この時、一番活躍するのは「マスカー」です。ビニールにテープがくっついたやつです。カバーできる幅は90cmぐらいから270cmと様々にあり、必要に応じて買い揃えます。漆喰塗料は、塗料が乾かないうちにマスキングを剥がさなければならないため、下塗り、本塗り分と2回分必要になります。そのため、かなり多めに必要です。

細かい部分は、マスキングテープを使用しますが、コンセントやコードまわりなんかは、養生テープをぐるぐる巻いてガードします。

2、石膏ボードとベニヤ板の下地処理

塗装の出来上がりは、マスキングと下地処理で仕上がりがほぼ決まります。

  1. まず、壁と柱の間の隙間をコーキング材で塞ぎます。
  2. ボードのジョイント部分で、凸凹したところがあったら、カッターやサンダーで削り、高さを合わせます。ここがとても重要。
  3. ボードのジョイント部分にファイバーテープを貼ります。さらに、石膏ボードの切断面や角の部分は、コーナーテープを貼ります。コーナーテープは大きめのホームセンターで、計り売りで購入すると、安く済みます。
  4. ジョイント部分とビス穴に壁補修用のパテを塗ります。ファイバーテープの目を埋めるように、少し盛り上がる程度に塗ります。
  5. 最後に、パテが乾いたら、サンドペーパーで平らにします。サンドペーパーはざっくりで大丈夫です。

3、既存の漆喰壁の下地処理

漆喰壁の下地処理では、汚れをとるのが主な仕事です。まずは、濡らした布で、全体を拭きあげます。その後、目立つ汚れを消しゴムやサンドペーパーで消します。普段のお手入れの時は重曹を使うといいらしいですね。

4、ベニヤ板にアク止めシーラーを塗る

アレスシックイの下塗り用シーラー、アレスシックイシーラーネオにはアク止め効果がありません。なぜなら、漆喰はとてもアクを吸いやすいため、基本的に、アクが出るような素材には使わないからです。でも、私はアクの出やすいベニヤ板に塗りたいので、アク止め用のシーラーを塗りました。

購入したのは、フジワラ化学の古壁強化アク止めシーラー。はじめに、水で希釈して塗った後、1日乾燥させます。そのあと、原液を塗ります。この時、きちんと隙間の内容に塗ることが重要です。もし、塗れていないところがあったら、その部分だけアクが浮いてきてしまいます。ちなみに、私はかなり丁寧にやったつもりでしたが、アクが浮いてきたところがあったので、後で塗り足しました。

4、漆喰シーラーをローラーとハケで下塗り

下塗りは、下地の色を隠すことと、塗料の喰いつきをよくすることが目的です。そのため、通常は一回塗りですが、下地の模様やが目立つ場合は、2〜3回塗る必要があります。壁紙に模様がある時などは、一回では隠れないこともあります。アレス漆喰シーラーは少し多めに購入するのがおすすめです。まず先に隅を刷毛で塗り、その後、ローラーで棒塗りします。そして、下塗りが乾く前にマスキングを剥がします。なぜなら、塗料が乾いた後だと、塗面が割れてしまったりするからです。

5、ローラーで塗る漆喰、アレスシックイの塗り方のコツ

下塗りが乾いたら、再度、マスキングを施します。

その後、いよいよ、本塗りです。アレスシックイは、2回塗りで仕上げます。下塗りと同様に、端を刷毛で塗った後に、ローラーで一気に塗り上げていきます。簡単に思えますが、均一に仕上げるにはちょっとしたコツがあります。まず重要なポイントは、100均ローラーを使わないことです。なぜなら、100均のローラーは、スポンジ部分が薄くて、塗料をあまり吸い込まないため、一度に塗ることができる面積が少ないからです。そうすると、ストロークの途中で塗料が少なくなってしまい、ムラになりやすいのです。

ローラーで塗るときは、スポンジにたっぷりと塗料をしみ込ませ、そのあと、余分についた塗料を落とします。そして、壁の上から下にローラーを動かします。ローラーを何度も行ったり来たりさせると、仕上がりのツヤが変わってしまうので注意が必要です。

一列塗ったら、また、塗料をつけて、余分は落として、次の列を塗ります。

このように繰り返して、全面塗ることができたら、マスキングを剥がし、乾燥させます。

同じことを繰り返して、2度塗りすれば完成です!ちなみに、2度塗りしても、下地処理のファイバーテープの凸凹が出るときは、3度塗りするといいですよ!

ローラーで塗る漆喰のメリットとデメリット

実際に、アレスシックイを使ってみた感想は、「楽ちん!簡単!」でした。まず、水性なので後片付けも楽ですし、匂いも全く気になりません。そして、乾燥も早く、ローラーで塗ることができるので、作業時間がかかりません。

デメリットとしては、普通の水性塗料と比較すると、アク止めの面倒さや塗装の際にムラが出やすい点が挙げられます。あと、漆喰塗料は強アルカリのため、肌につかないように気を使いますね。

しかし、体にやさしく、抗菌効果があるというメリットは大きいですし、何よりも、光を当てたときの質感が綺麗で、とても満足しています。

kazikaeru

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