古民家リノベ・基礎工事の工程と費用
解体工事が終わり、いよいよ基礎工事に入ります。我が家の基礎は、玉石基礎というらしく、玉石(自然の石で上面が平らにしてある)の上に床柱を建てたものです。床下は、昭和の家の良い所ともいうべき風通しの良さが功をそうしていて、ジメジメしていない良い状態でした。おかげでシロアリ被害もなかったのですが、一部の玉石がとても貧弱。耐震的なこともあるので、基礎をやりなおしてもらうことになりました。
建物の基礎は、建物を建てるところ全体に捨てコンクリートを敷く「ベタ基礎」や「布基礎」、柱の部分だけに行う「独立基礎」があります。今の住宅の多くは「ベタ基礎」や「布基礎」が採用されていますが、築100年古民家は「独立基礎」で基礎部分は玉石です。要するに、昔の木造住宅なわけですね。
下にコンクリートが敷いてあると、下からの湿気を抑える効果がありますし、建物と基礎が固定されていて、鉄筋が使われているので耐震性も高いです。
一方で、我が家の基礎は、束石に建物を置いてあるだけ(基礎と建物が固定されていない)の基礎です。置いてあるだけなんて、不安・・・と思いましたが、どうやらこれが、免震構造なんだそうです。「大きな地震のときは、束石の上で柱がずれることで、力を逃す」んだそうで、「石建て」と呼ばれるんだとか。
とはいえ、現代の耐震基準ではNGなんでしょうけど・・・。
既存の玉石は、壁の近くのものは立派な玉石でしたが、内部の玉石はかなりしょぼい・・・(笑)ものでした。そうした玉石は新しいピンコロにするために、玉石を堀りあげます。
束石の間隔は普通、面積50~130㎡の場合は、1㎡あたり0.5個程度だそうです。ちなみに、ウッドデッキの場合は、900mm間隔に束石を設置します。私の作ったウッドデッキも、この束石の基礎で、間隔は750mmにしてあります。
今回は、ほとんどは既存の場所に設置していましたが、何箇所かは増設していました。
束石を設置する場所に水糸を張ります。
設置する部分をタンパーで突き固めて、砕石を入れてさらに突き固めます。
価格:4,550円 |
タンパー(転圧機)はDIYで自作する人も多いみたいです。コンクリブロックやピンコロなんかを使えば安く作ることができるみたいですが、ちょっと太めの木の棒でも突き固めはできます。
モルタルを団子に盛り、その上にピンコロを置きます。ピンコロは水平器を使って、水平におきます。
ピコンと出ている針金で束柱を固定するそうです。
コンクリが乾くまで1〜2日程度です。乾燥したら、埋め戻して完成です。
作業は1.5日でした。基礎は大事な部分なので、結構時間がかかっていました。
このあと、大工さんが来て、追加の基礎工事を1日程度行っていました。
束石の上に漆喰のようなものを乗せて、その上に柱を建ててあります。ワイヤーは大引に固定してあります。できあがりはとても美しいです。さすがプロ。
床柱には防腐剤(クレオソート)を塗っていました。この一手間が大事なんですね。
価格:4,460円 |
通常の住宅なら、この基礎工事でコンクリや防湿シートを敷いて防湿対策をするのですが、我が家はやっていません。なぜなら、家が古いと、風通しが良いので湿度が溜まりにくいのです。(その分寒い)最近の住宅は密閉度が高いため、防湿対策は絶対必要なわけですね。湿度が高いと、シロアリがきたりとか束柱が痛みやすかったりします。
費用は束石33個(150✖️150✖️150)、根巻きコンクリート、施工費で105,000円でした。
<リノベーションここまでの流れ>