家の壁におしゃれな壁画を描く
せっかく白い壁を作るので、絵を描きたいと思い、壁画に挑戦しました。
壁画を描きたいと思ったのは、クリムトのベートーベンフリーズ<Beethoven fries>を見てからです。クリムト展では、この壁画が一部屋に展示されていました。壁の質感が魅力的で、壁と顔料が一体化した壁画は、どこまでも広く大きな絵に見えました。
そんな憧れのクリムト壁画のように描きたいと思ったわけです。
「漆喰の壁に描く」といえば、フレスコ画ですが、フレスコ画なんて描いたことはありません。漆喰塗って、顔料を水で溶いて塗ればOKぐらいに思って、見切り発車でやってみたところ、剥がしてやり直したりと結構大変でした。はじめにちゃんと、技法について調べてからやるべきだった・・・とちょっと後悔。
ということで、失敗だらけの壁画制作のプロセスを書きます(笑)
画題は東京湾の湿地の水鳥です。家の中に豊かな湿地を感じたいと思ったのです。私は、漆喰を塗ったあと、水で溶いた顔料を筆につけて、一気にあたりの線を描きました。しかし、これが失敗のもとでした。
漆喰に顔料で描くフレスコ画は、基本、塗り直しができず、一発勝負です。あたりで描いた、この線は、最後まで消えることなく、残ってしまうのです。
普通は、きちんと下絵を描き、それを壁面に写しとって着色していくのが正しい進め方なんです。
何より一番の失敗は、漆喰は壁面全体に一気に塗ってしまったこと。フレスコ画は、表面の漆喰が乾く前に描き切らなければいけません。もちろんそれは知っていたのですが、「ま、1日あれば描き終わるだろう!」と、根拠のない自信で全面に塗ってしまったのです。
この行為が、後々、自分を苦しめることになるとは、この時は考えもしませんでした。
おおよそのあたりをとったので、着色をします。私は下の写真のような感じで、一気に色をつけて、その後に羽の模様を描いていきました。細めの筆で模様を描きました。壁は普段描いているキャンパスに比べると大きいので、模様がついつい細かくなりがちです。意識して、ちょっと大きめに模様を描く方がまとまりが良さそうです。
すでに一番左の鳥は描き終わって、右のゴイサギ(のつもり)に入りましたが、ここで大問題。このゴイサギと、描き終わったアオサギのバランスがとても悪い!真ん中の鳥もあわせた三羽の立ち位置のバランスも微妙で、どう考えても良い絵になりそうもありません。
どうにか適当にバランスがとれないかな?と思いましたが、こればかりはどうしようもないので、漆喰を剥がして、塗り直して、描き直すことに・・・。
ここで、下絵がないと、うまくできないってことにようやく気がつきました。下絵を描いて、ここから再スタートです。生きものなので、目の大きさや表情がとても重要。
金色の顔料をきれいに出したかったので、一度、着色した漆喰を塗ってから金色の顔料を重ねてみることにしました。漆喰に顔料を混ぜると、柔らかいパステルカラーのような漆喰ができあがります。一気に広い面に色をつけることができますが、やっぱり上から顔料を塗った方が鮮やかでキレイです。
のんびりとやっていたら、気温が高かったこともあってか、表面がうっすらと乾き始めてきた。まだ大丈夫なんだろうけど、ちょっと焦ります。不安なので、サランラップでカバーしてみました。これでかなり、乾燥が遅くなりました。
そんなことよりも、すでに夜9時・・・。今夜は眠れるんだろうか・・・不安。
7、顔料の塗り具合
顔料は、初めは薄い色から塗り、徐々に濃くしていきます。一度では濃い色は乗りません。
全部の面をこんな感じで仕上げたいけれど、制作時間が長くて疲れてきちゃって、徐々に適当に・・・。
最後に描いたヒナたちの仕上がりは、かなりラフです。
でもまぁ、これはこれで、カチカチに決まった画面じゃなくて、ゆるさがあっていいかな?と思っています。
まとめ
ちゃんとしたフレスコ画の進め方ではなくて、描きながら漆喰をはがしたり、塗ったりしながら進めていってしまったので、仕上がりの面は凸凹になってしまいました。とはいえ、乾燥後にさわっても、顔料が落ちることもなく、しっかり着色されていて、安心しました。
まぁでも、次やるときは
この2点だけは絶対に守った方が良いな・・・って思いました。
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