環境と健康にやさしい、白い塗料は?

環境と健康にやさしい、白い塗料は? 壁の穴や凸凹を修繕したので、いよいよ塗装です。絵を描くためのアトリエです。壁には、絵を立てかけたり、検討のために何枚もエスキースを貼り付けたりするため、色が引き立つ白い壁にしました。白は部屋が明るく広く見えるので、天井も白にします。問題はどんな仕上げを選ぶのか・・・?アレルギー対策で体と環境に優しい塗料を探しました。

環境と健康にやさしい、白い塗料は?

体と環境にやさしい塗料とは?

建築に使われる建材には、F⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎という表記があります。「エフ・フォースター」と読むらしいですが、これは、ホルムアルデヒドという有害化学物質の発散量を示すもので、星の数が少ないほど発散量が多く、フォースターは一番少ない発散量っていう意味です。ホルムアルデヒドは特に接着剤に含まれています。接着剤は多くの建材に使われていて、例えば合板や塗料、クロス貼りにも使われています。

ホルムアルデヒドには発ガン性があったり、シックハウス症候群の引き金になったりするので、なるべく低ホルムアルデヒドの建材を使うようにするのが良いとされています。

今は、ホルムアルデヒドを多く発散するとされている接着剤は使われなくなってきて、大抵の建材はフォースターが付いていますが、一応ちゃんとチェックしておくと良いですね。ちなみにホルムアルデヒドが全く出ない漆喰のような素材には、フォースターは付いていません。

また、VOCは揮発性有機化合物のことで、健康被害だけでなく環境汚染にもなります。

さらに、なるべく国産のものを使うことで、環境負荷軽減に貢献します。(カーボンフットプリントという、近くにあるものを使った方が二酸化炭素の排出量が少なくなるという考え方)

塗料か塗り壁か、それともクロス?

壁の内装は、塗装、塗り壁、クロス仕上げと色々あります。クロス貼りはキレイに仕上がりますし、下地がベニヤでもアク止めの必要がありません。のり付きのクロスも売っていて、DIYで施工するなら、これが一番作業量が少ないですし、選ぶクロスによっては高級感も出ます。

米国だと、石膏ボード(プラスターボード)にペンキを塗る、ドライウォールという施工の壁が多いです。塗装壁は、塗り直しができるので、壁が汚れた時や壁色を変えたくなった時も、気軽に自分で塗り直すことができます。下地がプラスターボードなら、ジョイント部分やビス穴をパテで埋めてペンキを塗りますが、古壁やベニヤ板の場合はアク止めが必要ですが、ローラーで塗れるので塗装自体は簡単。

で、最近流行りなのが漆喰や珪藻土をつかった「塗り壁」です。塗り壁古くから使われていた施工方法で、お城とか蔵とか、お風呂場とかの白い壁は漆喰壁ですし、「繊維壁」とか「じゅらく壁」は和室やリビングなどで使われてきました。

塗り壁は、呼吸する壁とも言われていて、調湿機能があり、ホルムアルデヒドの排出がないので、体にも地球にもやさしい壁です。良いとこだらけですが、施工においては「左官」という専門的な高いハードルが横たわっています。

しかし最近は、練りずみしっくいや珪藻土も売られていたり、コテだけでなく手で塗ったりして、DIYで施工する人は増えてきたようです。

築100年の古民家の我が家は、ほとんどが塗り壁。せっかく呼吸してくれている家を「クロス」や「塗料」で閉じてしまうのももったいないので、壁はがんばって「しっくい」で塗ることにしました。プロっぽい均一の仕上がりは無理なので、多少ラフな仕上がりでいいか・・・ということで。

もちろん、珪藻土という選択肢もあるのですが、珪藻土は漆喰よりも質感がラフで今風の仕上がりになるので魅力的なんですが、日本の風土には漆喰の方が向いているということなので、漆喰を選びました。

日本古来の塗り壁「漆喰」

漆喰にも色々と種類があるようです。漆喰の原料は「石灰」なので、その石灰を熱して「消石灰」(水を混ぜると固まる性質になる)をつくり、それに、海藻(のり)や麻をまぜて水で練ったものが漆喰です。ヨーロッパのシックイは砂とか骨材が混ざっていて、厚塗りによって壁の補強の役割も果たすとのこと。また、ペースト状の練り済み漆喰なんかはのりに合成樹脂をつかっていたりするそうです。

ホームセンターでは練りずみのしっくいが入手できます。「漆喰 うま〜くぬれーる」とか「ニッペ 手で塗るMORUMORU(モルモル)」(漆喰風塗料)です。ネット通販だと、もっと沢山の種類があります。これらの漆喰でも良いのですが、練り済みの漆喰は、練っていない物と比べると数倍します。比較的安いのは「ベジタウォール(Vegeta WALL)」で16kg9000円ぐらいです。

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粉から練る漆喰は、上記のものに比べると手間がかかりますが、半額程度ですみますし、自然素材です。

私は粉漆喰を選びました。全部で20畳以上あるのでコストを抑えたかったからです。漆喰を練るのは慣れるまでは結構大変です。(漆喰の練り方・扱い方はこちら)

粉漆喰はふつうのホームセンターではまず売っていません。漆喰壁修繕用の小さい袋のものならたまに見かけますが・・・。なので、ネット通販で購入します。「大和しっくい 20kg 3000円」、「高知石灰 土佐漆喰 白亜 20kg 5000円」、「村樫のしっくい 20kg6000円」、「EM漆喰 20kg5500円」などなど。

私はEM漆喰を選びました。漆喰の白が、お城のような真っ白よりも、ちょっと柔らかめの白がいいなと思っていたので、口コミに「やさしい白」と書いてあったEM漆喰を選んでみました。下地処理には、MKプラスターを使いました。これ、とても塗りやすい。

ちなみにEM漆喰のEMってEM菌のことかしら?なんて思いましたが、そのあたりは不明です。

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ローラーで塗ることができる&環境と体にやさしい塗料

「漆喰が良い」とはいえ、天井まで左官作業というのは、かなりキツイ・・・。

天井はどうにかローラーで簡単に塗れるものはないか?と探していました。

環境と健康に配慮した塗料は「オーガニック塗料」みたいな感じで海外製品が多いです。でも高い・・・。日本にも「ノボクリーン(大日本塗料株式会社)」とか「エコフラット100(日本ペイント株式会社)」などのVOCゼロで水性&コスパの良い塗料があります。

我が家は元が土壁なので、漆喰を選びましたが、プラスターボードやベニヤの壁だったら、これらの塗料が作業性が良くていいなと思いました。

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もう少し漆喰風の質感のものがいいな・・・と思って調べていたところ、漆喰風塗料というのがあることがわかりました。漆喰がクリーム状になっていて、ローラーで塗ることができるものです。

本物の漆喰のような調湿機能には期待できないかもしれませんが、抗菌性能はばっちりです。これなら、壁の漆喰との質感も揃うので、見た目もばっちり!なはずです。

「デュプロン(リボス)」や「アレスシックイ(関西ペイント)」というのがそれです。デュプロンのサンプルパックはこちら。

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私はアレスシックイを選びました。国産品だからです。

アレスシックイは、漆喰塗料なので、普通の塗料とちがって下地のアクやヤニを吸い込みやすいです。下地の汚れをとって、アク止めをしっかりしておかないと、木材に塗るのは難しいです。(アク止めについてはこちら)クロスや石膏ボードなら簡単に施工できます。

施行中の臭いも無くて、質感はしっとりとしたマットな質感。光がやわらかく反射して、すっごく良い感じです。

アレスシックイで施工した天井

環境と健康にやさしい、白い塗料は?

アトリエ(12畳+2畳キッチン)の制作では、壁は目地にMK目地(4kg2,500円)、下地にMKプラスター(4kg入り11袋18,000円)、EM漆喰(20kg入り2袋8,000円)を使用。天井はアレスシックイシーラー(11000円)、アレスシックイ(4kg2本12000円)あくどめーる(4kg2本7,000円)=合計58,500円 かかりました。

そのほか:ローラー、刷毛、塗装用のトレイ、マスキングテープ、マスカー、ビニール手袋などの備品を購入しました。

kazikaeru

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